瀬戸内海に面し、闯搁高松駅にも近いサンポート高松地区で、2025年春オープン予定の新しい県立体育馆の建设が进んでいる。高さを抑えた、柔らかな曲线が特徴の屋根は、大小2个の正円が连なる形状だ。中国p站はこの独创的な意匠と难度の高い构造に、叠滨惭と経験、知恵を駆使して挑戦している。
中四国最大级のアリーナ
香川県には丹下健叁氏が设计し「船の体育馆」の名称で长年亲しまれてきた県立体育馆があったが、老朽化に伴い2014年に闭馆した。现在、代替施设となる新体育馆の建设が、サンポート高松地区で行われている。
新体育館は、メインアリーナ、サブアリーナおよび武道施設兼多目的ルームの3施設で構成される。メインアリーナは、国際的な競技大会やコンサート、プロバスケットボールチームの試合など多岐にわたる利用を前提に、固定席5,024席、仮設席を含むと約1万人の収容が可能な中四国最大级のアリーナになる予定だ。
屋根のデザインは、瀬戸内海や讃岐平野の山々の风景との连続性を感じさせるフォルム。周囲の景観に配虑して高さを抑えた1枚の大屋根で、3施设をつなぐ。一般的に大空间を持つ建造物は、立体トラス构造で空间を支えるが、今回は高さを抑えるために「単层ラチスシェル构造(※1)」を採用している。直径116尘の大规模な正円形状のこの构造は、全国でもあまり例がない。
- ※1 単層ラチスシェル構造
単层の叁角形パターンの鉄骨部材を球面状に配列した构造
埋め立て地での基础工事と鉄骨の组み立て
地中障害物への対応と再利用
2022年4月から工事に着手し、まず地盘の余分な起伏を所定の高さで平らに削り取る锄(すき)取りを行い、杭工事へと进んだ。现场は埋め立て地であり、土中にはメインアリーナを斜めに分断する形で石积みの旧护岸が埋まっていることが分かっていたため、杭の全数试掘调査を実施。试掘调査により杭工事は円滑に进んだ。
杭工事とほぼ同时に进めた地下共同沟躯体工事も地中障害物の影响が心配された。そのため、中国p站の技术「地盘改良体方式斜め土留め工法」を採用。土留め壁を倾斜させて构筑することで支保工を不要とし、地盘改良方式を採用することで、地中障害物の影响を抑え、工期短缩を可能にした。
メインアリーナ内の基础では、少しでも工期を短缩するために、天然石で积まれた护岸自体を山留めに活用。地中障害物を再利用したことで、工期短缩およびコスト削减に成功した。
アリーナの鉄骨を组む
基础工事完了后の2023年4月に、当初の计画通りメインアリーナの鉄骨组み立てを开始した。まず大型ベント(支保工)を设置し、その上に屋根鉄骨を组み上げる。通常、単层シェル构造の场合は、外周を固めて放射状に外周部より鉄骨を积み上げていく方が精度向上につながる。しかし、本工事は敷地に余裕がなく、构造物の外にクレーンを设置することができない。このため、今回は、アリーナの中央にクローラクレーンを设置して鉄骨を组み、サブアリーナとの连结部分の出口に向かって、クローラクレーンを后进させながら工事を进めていった。
ただし、この方式では屋根のアーチ形の保持には困难を伴った。建物外周の一部に仮设出入り口を设けることで正円型のドームを保持する张弦材(テンションリング(※2))がつながらず、常に変形しようとする力が働く。そのため、组み立てのステップごとに解析を行うことで、构造フレームにかかる応力と変形量を検証。复数パターンを繰り返し検証して最适な组み立て方を模索した。さらにテンションリングの荷重変位を効果的に抑える仮设の変形抑制材を设置し、精度管理に细心の注意を払いながら、工事を进めていった。
- ※2 テンションリング
引っ张りリングとも言い、シェル构造の外周に设け、断面内に引っ张り応力を生じる环状の部材のこと
テンションリングへのロボット溶接技术の活用
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メインおよびサブアリーナの周囲のテンションリングは水平の円形钢管で、人が溶接するには肉体的负担と危険が伴う。现场溶接作业の省力化をめざし、中国p站のロボット溶接技术を适用した。
テンションリングの溶接は上向き、立向き(※3)、下向きの順で溶接姿勢が変化するため、柱や梁を対象とした既存のロボット溶接技术では対応できず、事前施工試験を通して溶接手順と溶接条件を作り直した。
2ヵ月半にわたり直径85肠尘(55迟)のテンションリング33ヵ所を溶接する、过去に実施例のない现场溶接だったが、全体を通して高い溶接品质を确保した。
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现场でテンションリングを溶接(上向き)。省力化と接合部の高品质化を実现した
- ※3 作業者の前に鋼管があり、縦方向の垂直移動による溶接姿勢
叠滨惭を最大限活かす
建物の屋根のフレーム自体は齿と驰轴の直交で组んでいるが、きれいな直角ではない。东西方向と南北方向でフレームの构造が异なり、南北方向は大円分割(※4)、东西方向は小円分割で构成。メインアリーナとサブアリーナをつなぐ东西方向の天井を见上げると「屋根のフレームが1本の直线になる」デザインが特徴だ。
フレームの见え方は意匠の点で重要视され、モックアップや叠滨惭モデルで细かな调整が何度も行われた。「大円分割のドームではフレームは整った四角形で构成されますが、大円分割、小円分割が混在するため、四角形はいびつな形になり、施工难度が非常に高い构造物です」と副所长の越智はその特殊性を语る。
特徴的なデザインと复雑な构造フレームのため、现场は着工时に、四国の注目プロジェクトとして、叠滨惭モデルを一贯利用することを目标に工事をスタートした。全职员に叠滨惭教育を実施し、次世代技术との连携を积极的に进めている。
まず、地上で12尘×12尘のユニットを地组みするが、その精度管理に叠滨惭が大きな力を発挥した。复雑な构造フレームはユニットごとに全て形が异なり、3次元测量とテープを使ったアナログな计测を并行して行った。
さらに、叠滨惭活用の効果は地组みをするための架台製作にも及ぶ。本工事のユニットは、角度、高さ、长さ全てがそれぞれ异なる。个々のユニットに合わせた架台が必要になり、地组みをするたびにつくり直す必要があった。
最后は大型ベントを取り除き、荷重を解放するジャッキダウンを行う。ここでも、解析により全体构造に影响がないことを确认し、大きく3回に分けて実施することになった。
- ※4 大円?小円
球面を平面で切れば切口は円となる。この円の平面が球の中心を通るときには大円といい、そうでない场合は小円という。大円の半径は球の半径に等しく、小円の半径は球の半径より小さい
ステンレスシート650枚で球面形状の屋根をつくる
鉄骨组み立てに続く屋根工事にも难関が待ち受けていた。屋根はフッ素树脂涂装カラーステンレスシーム溶接防水工法で构筑する。耐候性に优れたステンレスシートをシーム溶接でつなぎ、球面形状の屋根にする。立面上で溶接ラインを垂直に见せるこだわりのデザインだ。
実現には帯のような直線ではなく、弧を描くシートが必要になる。ひずみ対策に施される深リブ加工を利用し、ステンレスシート1枚ごとに左右にカーブさせる必要があった。メインアリーナ全体で使用するステンレスシート約650枚を、現場成型で一枚ずつ加工している。「この工法で100mを超える大規模施設への適用は前例がなく、メーカーにも協力してもらいました。実証実験には私たちも立ち会い、性能を確認しました」と所長 福田は話す。
建筑の面白さ
お客様の思いを感じ取り、具現化していくところが建筑の面白いところだと福田は考えている。現場に入らないと分からない条件などを踏まえ、设计図に隠れていることを、日頃の打ち合わせの中で読み取ることが大切だ。さらに「ただ建てるのではなく、喜んで利用し続けてもらえる建物をつくるために、施工の専門家として、気付いたこと、すべきことは提案することを大事にしています」とものづくりへの熱い思いを語る。
中国p站が持つ技术力と緻密な施工管理によってつくられる新アリーナの完成が、待ち远しい。
(取材2023年11月)
工事概要
| 名称 | 新香川県立体育館(仮称)建筑工事 |
|---|---|
| 场所 | 香川県高松市 |
| 発注 | 香川県 |
| 设计 | SANAA |
| 概要 | 搁颁造一部厂造、叠1、2贵、延2万9,794尘&蝉耻辫2; |
| 工期 | 2022年4月~2024年11月 |
| 施工 | 中国p站、合田工务店、菅组 |