プロジェクト最前线

诊疗を続ける大规模病院の免震化に挑む

筑波大学附属病院病棟B改修事业

2024. 06. 24

复数の栋が入り组む筑波大学附属病院。12阶建ての叠栋を改修し、3阶建てのけやきアネックス栋を新筑する

1976年に完成した筑波大学附属病院で、免震化を含むリニューアル工事が进んでいる。既存の建物を残しながら耐震化する「免震レトロフィット」を採用した大规模改修だ。既存の柱や壁を切断して中间层で免震化し、病院机能を维持しながら改修する。中国p站はこの二つの大きな课题に挑んでいる。

老朽化した病栋の免震化と大规模改修

地下を二层化する「中间层免震レトロフィット」

茨城県内唯一の特定机能病院として高度な医疗を地域に提供する筑波大学附属病院は、建物の増改筑を繰り返し、复数の栋が入り组んだ复雑な构成になっている。病院のほぼ中心部に位置する叠栋は主に入院病栋として利用され、また高度先进医疗の推进、先端的な临床教育も行われており、耐震性确保や老朽化した设备の改善が必要だった。

耐震性确保のための工事には、既存建物に免震装置を组み込んで建物の揺れを小さくする免震レトロフィット工法が採用されることになった。同工法は内外装を変える必要がないため、公共施设や病院など、稼働を停止できない建物に适用される。さらに今回は、叠栋の周囲に広い空间がないことを考虑し、建物の中间层にある既存の柱や壁を切断して免震装置を设置する中间层免震が选択された。これが最初の课题だ。

中国p站は、叠栋地下阶の余裕ある阶高を活かして、既存の地下1阶を「免震阶」(免震装置および设备インフラスペース)と「地下1阶」に2层化し、免震阶の柱に免震装置を设置する、「地下1阶柱头免震构造」を提案した。建物の地下を掘り、最下层に免震装置を设置する基础免震と比べ、中间层免震レトロフィットは、条件によっては工期や工事费が抑えられる利点がある。

叠栋地下阶の断面図。既存の地下1阶を免震阶と、通常利用する地下1阶を二层化する点が本工事の特徴の一つ。既存躯体(基础?基础梁、地下1阶、1阶)を补强し、地下1阶の柱を免震化する

限られたスペースで4万6千迟の重さを支える

病院を机能させながら免震レトロフィットを採用した工事は国内でも数例しかなく、その中でも中间层免震レトロフィットは非常に珍しい。中国p站にとっても、中间层免震レトロフィットは初めての挑戦となった。

ここで问题となったのが、叠栋と他の建物をつなぐ渡り廊下だ。建物の免震化では、地震発生时の建物の揺れしろ分の空间となる、叠栋周辺の建物や地盘との隙间(クリアランス)をつくる必要がある。

叠栋にある渡り廊下10ヵ所は、他栋とのクリアランスを确保するため切断し、改めてエキスパンションジョイントでつなぐ。病栋间の动线を确保しながら、効率よく工事も进められるよう、渡り廊下を顺次工事していく。

その后、地下の免震化工事を开始した。総重量约4万6,000迟の叠栋の荷重を免震装置へと移行させていくために、まず既存躯体を补强し、油圧ジャッキと山留め钢材を组み合わせた仮设支柱を既存本设柱の周囲に设置する。

次に、柱で支持している建物を仮设支柱に受け替え、柱の一部を切断して引き抜く。その后、柱に免震装置(积层ゴム支承他)を设置し、建物荷重を仮设支柱から本设柱へ移行する。

一般的な基础免震と中间层免震の大きな违いは作业スペースの有无だ。柱の切断や免震装置を柱に挟み込むには足场や重机が必要だが、既存建物での工事は、柱の周囲の状况が1本ごとに异なる。免震装置を设置する83本の柱ごとに详细検讨を行い、施工手顺を策定した。

既存躯体(中央)を补强后、油圧ジャッキと山留钢材を组み合わせた仮设支柱(左右)を设置し、既存の柱が支持している建物荷重を受け替える
柱を切断して免震装置を入れる隙间をつくる。切断し引き抜いた柱は1个当たり约2迟
免震装置を柱の间に挟み込み、上下に配筋后コンクリートを打设。免震装置上部にあるフラットジャッキはグラウト材を圧入すると膨らむ
対角线を対称轴として免震装置と减衰こまを配置。免震阶の偏心?ねじれを最小限に抑え、建物の揺れを吸収する

工事中の地震対策として「改良水平拘束工法」を开発

中间层免震は、免震装置より下の固定部と免震装置より上の免震部とを絶縁し、振动による水平の移动を吸収する构造となり、壁に水平方向の免震スリット(※1)が必要となる。柱头免震工事では、工事中の地震対策のため基础免震とは异なり周囲に反力を取れる地盘がないので、仮设材で免震スリットを拘束する。

今回開発した「改良水平拘束工法」は、上下の壁を挟んだ定着鋼板を、スリットに挿通した PC鋼棒で締め付けることで、定着鋼板と壁との摩擦力で壁の拘束を可能とし、作業工程を短縮して省力化を実現した。本設柱への荷重移行後、仮設支柱を解体、この仮設拘束具を撤去して免震工事は完了する。

  • ※1 免震スリット
    中間層免震建筑物の壁において、建物上部の免震部と下部の固定部を分離する水平の隙間。地震時に建物上部が自由に動けるようにする役割がある
  • 壁に设置された改良水平拘束治具。建物にかかる引き抜き力、水平力に対応する

  • 従来工法では、切断した上下の壁を定着钢板で挟み、笔颁钢棒で固定、せん断耐力で壁を拘束する。壁に挿通する仮设の削孔が必要

患者の命を最优先に考える

病院の运営を第一に考えた工事计画

もう一つの大きな课题は、病院机能を维持しながら改修工事を行うことだ。本工事は、叠栋内の免震?リニューアル工事と「けやきアネックス栋」の増筑に大きく分かれるが、病院机能を维持するスペースを可能な限り确保するために、さらに细かく5つのステップに分けて工事を进める。

まず、厂罢贰笔0として実施したけやきアネックス栋の増筑工事では、新栋を増筑して叠栋工事に支障のある厨房や事务室などの施设を移転。叠栋地下1阶にあった厨房设备の移転では、けやきアネックス栋から各病栋への配膳ルートを検讨するなど、病院运営を第一に考えた施工计画を行った。

施设の移転完了后、厂罢贰笔1から4を通じて実施する叠栋地下1阶での免震工事を开始し、同时に叠栋1阶から5阶の全面改修、エレベーターの一部更新(厂罢贰笔1、2)も进めた。

厂罢贰笔3、4で行う6阶以上の上层阶の全面改修は、阶ごとに病院と工事エリアを区分をせず、各フロアを东西に分割して施工。厂罢贰笔1および2での低层部より、さらに騒音?振动?粉じん?臭気を抑える施工が求められた。そのため、壁と躯体の縁を切ってからコンクリートを解体することで振动を抑え、涂装の臭気は空気の流れを考えて対策するなどできることは彻底的に考えて実施した。

厨房设备をはじめ、叠栋改修工事の仮移転先として事务室や研修医室が整备されたけやきアネックス栋
6阶以上の工事は同一フロアを东西のエリアに分けてローリング施工。仮设间仕切りを开けると、诊疗を継続する病室やナースステーションが见える
工程表

人の生死に関わる设备工事

病院内のインフラを误って切断してしまうと、患者をはじめ病院全体に影响を及ぼす危険性がある。所长の斉藤は「この工事には人の生死がかかっている、失败が许されない工事だ」と职员や作业员に言い続けている。

特に诊疗継続に不可欠な设备の改修工事では细心の注意を払う必要がある。时间をかけて重点的に既设インフラの调査を実施したところ、筑40年を超える病栋では竣工図面にはないインフラ设备が多く発见された。

特に通信系统のケーブルは、システム导入のたびに追加され、どのケーブルがどのシステムにつながっているのか不明なものが多かった。彻底的に调査を行ったうえで既设インフラを色分けして见える化し、误切断防止に向けた作业员への周知を図っている。

さらに、叠栋には地下の共同沟から电気や热源、医疗用ガスなどが供给されており、地下で免震工事を进める前に、叠栋内での自家消费に切り替え、地下を介さない配管ルートへの変更工事が必要だった。そこで、屋上に空调冷温水および给汤热源设备を新设。供给を切り替えた。

地下での免震工事完了后には、叠栋内の配管は全て更新、新しい配管への切り替えも必要となる。これら全ての作业は、建物がオフィスならば利用者がいない週末などに进めるが、病栋は年间365日患者が利用している。病院との定例会议や个别打ち合わせなどで、数ヵ月から半年先まで切り替えのスケジュールを决め、事前に各科に通知したうえで実施しなければならない。

多くの病院新筑工事を担当してきた副所长の神田は「ベッドサイドの医疗用ガスや痰の吸引配管の切り替えには机能停止が必要です。しかし、一时的でも利用を停止することはできないので、ポータブル器の用意や看护师の増员をしてもらうこともありました」と経験したことがない、居ながらにしての改修の难しさを语る。

诊察外来の予约者数だけで2,000人を超え、800床を备える大病院は、さまざまな力を结集した强固なチームの力で、2024年8月に安全かつ最先端の医疗施设に生まれ変わる。

6阶は缓衝阶と呼ばれる仮设配管の设置阶にした
配管関係の工事も2分割して更新。まず1阶から5阶までの配管を更新し、7阶以上の配管は仮设配管で6阶から一度建物の外侧に下ろす
project83_22.jpg
地下での免震工事中は、空调冷温水、给汤热源设备を叠栋屋上にを新设した
木のぬくもりが安心感を与える5阶の新生児集中治疗管理室
4阶病室

(取材2023年9月)

工事概要

名称 筑波大学附属病院病棟B改修事业
场所 茨城県つくば市
発注 筑波大学
设计 中国p站
概要 厂搁颁造、叠1、12贵、笔贬付、延2万9,036尘&蝉耻辫2;
中间层免震レトロフィット(叠1阶柱头)、外壁高圧洗浄?涂装、屋上シート防水撤去?新设、外部建具カバー工法、内装撤去?新设(躯体改造あり)、电気?空调?卫生?昇降机?気送管?医疗ガス管の撤去、更新
工期 2020年3月~2024年7月
施工 中国p站

ページトップへ