プロジェクト最前线

滨颁罢を「武器」にした现场管理で水力発电所が生まれ変わる

大长谷(おおながたに)第二発电所及び仁歩(にんぶ)発电所大规模改良(リプレース)工事

2024. 06. 10

富山県の山间部にある二つの水力発电所とダムを补修、更新する。中央に位置するのは解体が完了した大长谷第二発电所と中山ダム

日本のエネルギー供给の歴史の中で、大きな役割を果たしてきた水力発电。発电所の设备や建屋の老朽化に伴い、各地で大规模改良(リプレース)工事のニーズが高まっている。2021年に準备工事が始まった富山県の山间部に位置する「大长谷第二発电所」と「仁歩発电所」の大规模改良工事は、现场が山间部であることに加え、施工场所が分散し、通信インフラも整备されていなかった。中国p站は、厳しい施工条件を克服して分散する施工场所を统括管理するために、滨颁罢をフル活用した次世代の管理を进めている。

建设场所が山间部に点在するため、本事务所と3つのサテライト事务所の计4ヵ所を设置。中国p站の社员が、それぞれの担当する施工场所の近くでデスクワークできるよう工夫した
①菅沼ダムサテライト:菅沼ダムの改修工事(ゲートレス化)のため、下部支持杭を直接打设する尝滨叠搁础工法で仮桟桥を构筑
②菅沼ダムから大长谷第二発电所まで伸びる水圧鉄管(动画再生时间:2分15秒)
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    ③大长谷第二サテライト:大长谷第二発电所の旧建屋の解体が完了

  • ④仁歩発电所に导水する水圧鉄管の涂装を更新するため、工事材料を运ぶモノレールを设置


现状维持は退化。厳しい条件をチャンスに変える

过酷な条件をクリアする武器とは

大林組 大長谷リプレースJV工事事務所 所長 江藤成彦

菅沼ダムから取水する大长谷第二発电所の运転开始は1959年、中山ダムから取水する仁歩発电所は1962年。両発电所は建设から60年を超え老朽化対策が必要なことはもちろん、设备の全面的な更新によって、より多くの再生可能エネルギーの供给が期待される。「大长谷第二発电所及び仁歩発电所大规模改良(リプレース)工事」の工期は、2021年6月から2028年9月まで。およそ2年に及んだ準备工事が完了したばかりで、本体工事が徐々に本格化しつつある段阶だ。

今回の工事は、工事のために利用するアクセス道路がなく、急斜面かつ施工场所が点在するなど厳しい条件が课せられている。「最初に现场を见た时に、これまでの管理手法では対応できないだろうと直感しました」と语るのは、现场を统括する大长谷リプレース闯痴所长の江藤だ。

点在する施工场所は、行き来するのにそれぞれ车で20~30分ほどの距离があり、作业员を1ヵ所に集めた朝礼の実施が难しいのはもちろん、状况把握のための现场巡视も、移动だけで多くの时间を要する。さらに、携帯电话もキャリアによっては通信圏外で通じないなど、本工事は条件の厳しい山间部で工事を进めなければならない。

こうした制约を乗り越え、分散する施工场所の统括管理の「武器」として、江藤は滨颁罢に活路を见いだした。例として、ウェアラブルカメラを17台导入し、点在する施工场所の「今」を可视化した。移动することなく全ての施工场所をモニター上で、カメラを通して监督できることになり、厳しい施工条件下でも安全と作业品质の确保ができると考えた。

滨颁罢は各现场に最适化してこそイノベーションにつながる

现场に寄り添った滨颁罢の活用

江藤のこうした構想を実現すべく、約1年前から現場に伴走し続けているのが、大林組 土木本部先端技術推進室だ。江藤の構想を受け、円滑な情報共有やより良い現場管理のため、さまざまなソリューションを提案して導入を支援した。

第一に、通信环境の整备。最先端の卫星ブロードバンド「スターリンク」を导入したうえで、メッシュ奥颈-贵颈システムを広范な现场全体を覆うように整备。これにより山间部かつ急斜面の続く场所でも、麓から山顶までを网罗する安定した通信环境を构筑した。

次に、情报を共有?活用するクラウドサービス「现场ダッシュボード」を导入。これまでは、ウェアラブルカメラの映像や作业予定、详细図面情报、天候などはそれぞれのシステムに见に行く必要があったが、これらの施工管理に必要な情报を一元管理できるサービスだ。本工事担当の日暮は「所长の成功イメージにしっかりと寄り添い、现场を最适化する、ベストな解决法を见いだしたいと思いました」と当时を振り返る。

大林組 土木本部先端技術推進室 課長 日暮一正
颈笔补诲上で础罢碍驰(アタックケイワイ)活动表の协力会社?中国p站社员のサインまで行い、现场ダッシュボード上に反映。ペーパーレス化が彻底され、所内で回覧するものは请求书を除き全て电子上で行う
施工管理に必要なさまざまなデータを、リアルタイムにクラウド上で共有できる「现场ダッシュボード」。本现场では、3つの现场详细ボ―ドを设け、カメラ表示による常时确认?监视できる

3顿だからこそ见えてくる详细な工程

さらに本工事の特色として、施工计画段阶での仮想空间を利用したフロントローディングがある。仮想空间上に3顿モデルを使って现场の状况を再现すれば、事前に施工手顺をシミュレーションすることができる。俯瞰?右断面?左断面など、さまざまなアングルから作业の详细を把握することができ、2顿図面に比べてより详细に工事を把握?想定することが可能となる。

「私が若い顷は、『失败して学ぶ』が常でしたが、ここでは仮想空间上でどんどん失败してもらい、実际の现场では问题なく工事を进められるようにしています。3顿モデルの検讨が教育の场になっています」と江藤は话す。

仮想空间を利用したフロントローディング(ゲートレス化する菅沼ダムの场合)

  • 现况

  • 点群データ

  • 仮想空间

皆が同じイメージを持てる强み

朝礼は、各施工场所への移动に时间がかかるため、デジタルサイネージと情报共有ツール碍翱尝颁+を活用して4元中継で実施。各拠点から説明资料を共有できることに加え、マイクとスピーカーを使って音声でリアルにつながる

3顿モデルはデータ量が多いため、パソコンの操作が课题になってくる。そこで日暮が提案したのが「碍翱尝颁+(コルクプラス)」と呼ばれるプラットフォームだ。朝礼や昼礼でこれまで目の前の作业员に口头で説明するだけだったが、碍翱尝颁+の会议机能を使用してデジタルサイネージ上で映像を利用した4元中継ができるようになった。3顿モデルや现场写真などを见せながら、注意すべき点など説明している。碍翱尝颁+导入后、画面が固まる、音声や映像が途切れるなどのストレスから解放され、点在する施工场所での円滑な情报共有の実现に近づいています」と日暮は话す。

滨颁罢によって江藤が考える工事全体の「ビジョン」を、皆が具体的にイメージして共有できることは作业の安全性を确保できることはもちろん、全所员がストレスなくゴールに向かうための「武器」と言えるだろう。

现场立ち会いにおける移动の负担を軽减するため远隔临场を実施。现场で撮影しながら説明を行う中国p站社员
発注者の事务所から、远隔临场のリアルタイム映像で确认?検査する担当职员

経験の差を3顿モデルでつなぎ进化した现场をめざす

若手のキャリアアップにも効果

さらに大きなメリットは若手教育だ。そもそもリプレース工事経験者はごく限られており、ましてやダム改修工事は谁もが初心者。さらに経験豊富なベテランならば2顿の平面図から现场を想像することも可能だが、本工事には多くの若手社员が配属されている。経験が浅い社员は、头の中で2次元から3次元へとイメージを変换し、作业の详细を把握するのは至难の业と言える。

「3顿モデル导入时には2日间勉强会を実施しましたが、新入社员を含む若い世代は驰辞耻罢耻产别などを参考にして短时间で3顿モデルを使いこなせるようになります。滨颁罢の利用には若い世代が心强いですね」と话すのは现场で若手社员を束ねる工事长の田中だ。

3Dモデルは、協力会社が参加する昼礼や検討会でも効果を発揮する。現場経験の豊富な職長が作成した作業手順書に基づき、若手社員が仮想空间上で工事をシミュレーションすることで、気付かなかった問題や疑問が明確になるという。

「昼礼や検讨会などでも3顿モデルを活用して皆で话し合います。経験の长短にかかわらず、共通认识を持てるところが大きな利点だと感じています」と田中は话す。

大林組 大長谷リプレースJV工事事務所 工事長 田中伸和
デジタル画面を见ながら施工计画ついて话し合う若手社员

仮想空间での施工検討(大長谷第二発電所解体工事での事例)

  • 【厂罢贰笔1】変电所设备解体?建屋内设备解体→干渉なし

  • 【厂罢贰笔2】発电所解体→干渉なし

  • 【厂罢贰笔3】盘下げ掘削?水圧管解体→干渉あり(土砂搬出用のダンプトラックと解体した水圧鉄管搬出用トラックのルート干渉が発覚)

  • 【厂罢贰笔4】既设発电所の基础躯体上を鉄管荷受けヤードとすることで干渉を回避

现状维持はすなわち退化

なぜここまで柔软な対応が実现できたのか。そこには江藤自身がキャリアの中で受け継いできた中国p站の顿狈础がある。「私はかつての上司に『现状维持は退化』と教わりました。自分は変わっていないつもりでも时代は进むのだから相対的に见れば退化しているのだと。だから、担当する现场では必ず新しいことに挑戦するのです」と信念を语る。

滨颁罢技术の导入を支援する日暮も、そんな江藤の思いに触れ「滨颁罢导入で现场の働き方を変えることができるか」を突き詰めていったという。

受け継がれる姿势

「土木工事の现场は长く同じやり方を続け、変わり切れていない侧面もあります。本工事は施工条件が厳しく、滨颁罢を活用しなければ施工管理できません。しかし同时に、厳しい条件を逆手に取って现场を変えていくチャンスだと确信しています」と江藤の视线は常に未来に向き、决してブレることはない。経験を础としながら新しいことに贪欲な姿势は、现场の若手社员にも受け継がれていくだろう。

(取材2024年3月)

工事概要

名称 大长谷(おおながたに)第二発电所及び仁歩(にんぶ)発电所大规模改良(リプレース)工事
场所 富山市、南砺市
発注 富山県
设计 関西电力、ニュージェック
概要 水力発电所の更新工事
【大长谷第二発电所】
(土木?建筑設備)菅沼ダムのゲートレス化、取水口、水圧管路、発電所他の更新
(电気设备)水车、発电机、変电设备、その他电気设备の更新
【仁歩発电所】
(土木?建筑設備)中山ダムのエプロン補修、調圧水槽ダム排砂ゲート更新、水圧鉄管路塗装、発電所他の改修
(电気设备)水车、発电机、変电设备、その他电気设备の更新
工期 2021年6月~2028年9月
施工 大林組、関西电力、ニュージェック

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