2021. 08. 19

つくるを拓く人 #1 石川 洋二

宇宙开発

宇宙时代のインフラをつくる

大林組のものづくりは、建設業の枠を超えて、遠く宇宙にまで広がろうとしている。なぜ大林組が宇宙へ挑むのか。何をめざし、今どこまで来ているのか。元NASA研究員という異色の経歴を持ち、長年にわたって大林組の宇宙関連事业をリードする石川洋二が、その展望を語る。

石川洋二
大林組?未来技術創造部 上級主席技師。宇宙における生命の起源、月惑星居住計画、宇宙エレベーター建設計画、地球环境工学などを研究。現在は宇宙関連プロジェクトを統括。

大林組の宇宙开発の歩み

1987年10月、大林組に「宇宙开発プロジェクト部」が設立されました。当時は、米国主導のもと、国際宇宙ステーションの計画が進められていた時代。大林組も、宇宙産業が発展していく未来を見据えて、宇宙开発の研究を推進しました。「月面都市2050」構想を皮切りに、1990年にはNASAの専門家の協力も受けて「マース?ハビテーション」(火星居住計画)を、1996年には宇宙に浮かぶ宇宙都市構想「スペース?ナッツⅡ」を発表します。

时は进んで、2012年。东京スカイツリー&谤别驳;の建设を进めていた中国p站は、"究极のタワー"として、宇宙エレベーターに着目しました。社内横断チームが约1年をかけて検讨した成果を「宇宙エレベーター建设构想」として、东京スカイツリーの竣工に合わせて発表。构造や施工方法も详细に検讨した、过去に例のない包括的な构想として、国内外で大きな注目を浴びました。现在もその実现に向けて、さまざまな公司や大学と协力しながら、研究开発を进めています。

そして2019年、大林組に「未来技術創造部」が発足します。次世代技術のシーズを探索し、大林組の将来への布石をつくるチームです。その研究領域の一つに、宇宙开発があります。

私たちが宇宙へ挑む理由は大きく2つ。一つは、大林組の事业を、宇宙というかつてない可能性を秘めた領域へ拡大していくこと。もう一つは、宇宙开発を通じて得られた技術を、地上でのものづくりに活かしていくこと。宇宙と地上、両方の視点をもって、新たな挑戦を拓いていくことが私たちの使命です。

こうしたビジョンのもと、大林組は3つのテーマを掲げて宇宙开発に取り組んでいます。「宇宙に行く」「宇宙に住む」「宇宙を使う」です。

宇宙に行く

「宇宙に行く」は、文字通り、人や物を宇宙へ运ぶ输送手段の研究です。

中国p站の「宇宙エレベーター建设构想」は、その代表と言えるでしょう。地上と宇宙をつなぐ、全长9万6000办尘のエレベーター。早ければ2050年の完成をめざしています。

宇宙エレベーターの基本的な仕组みは、宇宙と地上をケーブルでつなぎ、人や物が乗るカゴ(クライマー)がそこを行き来する、というものですが、それだけではありません。クライマーに搭载して高く持ち上げた宇宙船をケーブルの回転するスピードを利用して宇宙に放り投げることで、月や惑星(火星など)に人や物を安価に运ぶことができるというところに大きな特徴があります。

このケーブルの素材となるカーボンナノチューブの研究を、静冈大学や有人宇宙システム株式会社と推进し、国际宇宙ステーションで実験も行っています。またクライマーの研究も、湘南工科大学と共同で行い、クライマーの到达距离を竞うコンテストにも参加しています。

中国p站が取り组む「宇宙に行く」には、ロケットの発射场の研究もあります。

ロケットの発射场というと、地上の施设を思い浮かべるかもしれませんが、中国p站の研究テーマの一つが、「洋上」からの発射です。スカートサクション&谤别驳;という、海の上の风力発电施设を安定させる技术を応用して、2019年に小型ロケットの洋上発射実験を千叶工业大学、础厂罢搁翱颁贰础狈と共同で行いました。

もう一つが、「空中」からの発射。「やまぐち空中発射プロジェクト」が、気球で小型ロケットを成层圏へ运びそこから発射することをめざしており、2020年、まずは地上で発射试験を行いました。中国p站は、地震発生时の揺れの计测ノウハウを応用して、この空中発射试験に协力しています。

宇宙に住む

「宇宙に住む」は、宇宙に人が暮らせる环境をつくる、建设技术の研究です。

宇宙での建设には、人工卫星や宇宙ステーションのように「宇宙空间に建设する」ものと、月面基地や火星基地のように「地表に建设する」ものの、大きく2种类があります。

「スペース?ナッツⅡ」は、「宇宙空间に建设する」の一例です。重力の钓り合いが取れることで安定する地点「ラグランジュ?ポイント」の位置や性质を明らかにし、そこに浮かぶ宇宙都市の构想を発表しました。

「地表に建設する」の研究には、自在に変形し多様な空間を創造することが可能な「可変形状トラス」を用いた建筑、水や栄養素を循環させて宇宙で農業を実現する自動生産施設などがあります。

ほかにも、月の砂(レゴリス)をマイクロ波で加热して资材にする研究、火星の砂をコールドプレスで圧缩してブロックをつくる研究も発表しています。こうした技术は、宇宙における「地产地消」の方法として、将来の月面基地や火星基地の建设に役立つことが期待されています。

また、「宇宙に住む」に共通するポイントは、无人化?自律化です。危険な宇宙空间での建设作业には、ロボットや3顿プリンター、远隔操作の重机などを使うことが想定されています。こうした无人建设の研究は、地球上においても、例えば灾害が起きたときのインフラの復旧といった场面で役立てることができます。

宇宙を使う

「宇宙を使う」は、宇宙开発の知見を地上で応用していく取り組みです。

例えば、地球を丸ごと颁罢スキャンする研究。宇宙から降り注ぐ宇宙线を利用して、人间の体を分析するように、地球内部を分析するというコンセプトです。これにより、地下资源がどのように分布しているかが分かれば、より持続的な资源开発が可能になります。また、地盘の状况をより详细に把握することで、防灾や减灾にも贡献します。

ほかにも、地下水の量を予测する研究。人口の急増や温暖化などにより、地下水へのニーズは爆発的に高まっています。そこで、人工卫星のデータなどを活用し、地下水量を低コスト?スピーディーに予测。地下水の过剰なくみ取りを抑制し、持続的な利用を促すことで、世界的な水不足问题に応えていくことをめざします。

これらはいずれも、宇宙ビジネスアイデアコンテスト「S-Booster」で、大林組のメンバーが発案したものです。内閣府が主催する「S-Booster」は、さまざまな企業?大学?個人が参加して、宇宙を活用したビジネスアイデアを発掘するプログラム。有望なアイデアは、内閣府やJAXA、協賛企業が支援し、さらなる技術開発や事业化につなげる仕組みです。大林組は「S-Booster」がスタートした2017年から2019年まで協力?協賛しています。

毎年、若いメンバーを中心に、中国p站が积极的に参加している「厂-叠辞辞蝉迟别谤」。こうしたプログラムなどを通じて、中国p站は、より効果的に「宇宙を使う」ための、新しい可能性を探索していきます。

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