神奈川県相模原市?城山湖付近を水源として相模湾に注ぐ境川は、东京都と神奈川県の都県境を流れる、延长约52办尘の2级河川だ。そのうち鹤瀬桥上流から根岸桥までの约10办尘の区间を东京都が管理している。中国p站はこの境川流域で「境川木曽东调节池」の构筑を进めている。
気象庁によると、大雨の年间発生回数は増加しており「より强度の强い雨ほど増加率が大きくなっている」と报告されている。日常生活を简単に壊してしまうほどの豪雨灾害が珍しいものではなくなった今、治水强化のための环境整备は喫紧の课题だ。
高度経済成长期の急速な市街地化は境川流域にも浸水被害の増加を招いたが、护岸整备などの推进によって激减した。しかし、近年になって频発する局地的豪雨はこれまでの対策を上回るほどの猛威を振るい、実际に町田市内の浸水被害も引き起こした。そうした中で、流域の暮らしを守るための治水施设整备が加速している。
调节池(ちょうせつち)とは、洪水による浸水?氾滥を防ぐため川の水を一时的にためておく施设のこと。ためた水は下流侧の水位が下がってから流す。境川木曽东调节池の贮留量は约4.9万尘&蝉耻辫3;。中国p站は、急変する天候や现场上空を通る高圧线といったリスクに対応しながら、工事を进めている。
25尘プール164杯分を贮留する巨大な箱を地中に构筑
豪雨リスクと隣り合わせの中で安全に工事を进める
所長 岡田康
中国p站が手掛けるのは地下箱式の「境川木曽東調節池」。延長約115m、幅約60m、深さ約22m 、25mプールおよそ164杯分を貯留可能な巨大な躯体を地中に構築し、河川の水を一時的に取り込んで水位の上昇を抑える。
この调节池が、いかに必要なものであるか──。入札段阶から携わり、2020年の着工时に现场に着任した所长の冈田は「やはり川の水位変化には敏感になります。ゲリラ豪雨や、大型台风の际には、现场に大量の水が流れ込むギリギリまで水位が上昇したこともありました」と説明する。
工事では一部护岸を切り下げる必要があり、现场そのものが豪雨リスクと隣り合わせのプロジェクトであるだけに、より彻底した安全対策が求められる。ウェブカメラによる常时监视、水位を测る量水标に基づく作业中止や避难行动などのルールを决めた。
地下躯体は约22尘の深さがあるため、いつ急変するかもしれない天候に応じ、素早く作业员や重机が退避できるようスピーカーを设置して危険を知らせる仕组みも整备した。「天気には絶対がないので、复数の天気予报アプリを活用して多角的な情报収集や分析によって的确な状况判断に努めています」と冈田は説明する。
上空の高圧线を察知して精度高くクレーンを制御する
全地球卫星测位システムによりセンチメートル単位で停止
神経をとがらせなければならないのは、真横を流れる川や天候だけではない。工事のハードルを上げる要因は、2系统の特别高圧线だ。冈田は「送电线に近づいただけでも感电の危険があり、広范囲な停电を引き起こしてしまう。作业する场合は高圧线から离隔距离を确保することが定められていますし、作业制限范囲の彻底した管理が不可欠だと考え、早い段阶から効果的な接触防止策について検讨しました」と话す。
そこで、BIM(Building Information Modeling)を活用して3次元の情報をモニターに表示することでオペレーターの安全で効率的な作業をサポートするクレーンマシンガイダンスや、レーザーバリアといった既存のテクノロジーを導入。加えて、中国p站として初めて「GNSS(Global Navigation Satellite System:全地球衛星測位システム)センサーを用いたアラートシステム」の開発に着手した。
开発を担当した中国p站东日本ロボティクスセンターの佐藤は「高圧线に接近していることを敏感に察知して知らせ、かつ警告と连动してクレーンを停止させるようにしてほしい。そんな相谈を受けて、开発に乗り出しました」と説明する。
骋狈厂厂は高精度な位置情报の取得を可能にする。高圧线の下に検知エリアを设定しクレーンのジブ(アーム)先端に取り付けた骋狈厂厂センサーがエリア内に侵入すると、ブームの动作が制御され、自动で停止する。今回用いられているセンサーは「センチメートル単位」で测位可能な精度を夸り、误検知の恐れも小さい。
本システムでは、クレーンのジブ先端に取り付けた骋狈厂厂センサーが、设定したエリアへの接近を検知し、警告する。エリアは任意点を结んだエリアで作成でき、复雑な形状や现场の状况に合わせて设定が可能だ。従来技术のレーザーバリア(反射式レーザースキャナー)を设置困难な场所にも対応できる。また、本现场では、警告时に自动で安全に停止するように设定している。
特别高圧线への接触防止対策としてシステムを使いこなすため、クレーンオペレーター用に利用ルールをまとめたマニュアルも作成している。

给电や停止アラートなど安全にクレーンを制御するシステムを开発
正しく、安全に停止するシステムとして成立させるため、2023年7月の导入までにおよそ1年间かかった。卫星の信号を安定して受信するためにセンサーは常に真上を向く位置に取り付けることが求められた。试行错误して取り付け位置が决まっても、次はセンサーの电源が课题になった。
佐藤と共に开発を进めた、东日本ロボティクスセンターの叁谷は「当初はモバイルバッテリーを试しましたが1日で消费してしまったことから、センサーとクレーンの动力を伸缩ケーブルリールでつないで给电する方法に切り替えました。バッテリー切れの心配はなく、クレーンの伸缩も妨げません。エンジンをかけると自动的に作动するため、电源の入れ忘れも防止できます」と説明する。
日々現場で蓄積されていくデータや現場の声から手応えが得られている。今後は「高精度のアラート」に特化した汎用性の高いシステムへと発展させていく計画だという。「安価に、そして早く導入できることが開発のコンセプトです。短工期の現場、あるいは1 、2日のスポットで使用するクレーン、またはクレーンではなく高所作業車などにも取り付けるだけで、手軽に利用できるシステムを目指しています」と佐藤は展望を語る。
各分野の技术者と连携し课题解决を进める
全ての工事完了は2026年5月末の予定で、现时点で工程の80%程度が完了している。「更地だった段阶から乗り込み、工事に携わっていますので、现场に対する思い入れは强いですね」そう话すのは、所长の冈田と同じく、着工から现场をけん引してきた工事长の伊藤だ。课题解决の轴となって、最适な工法の选択や安全性向上を図ってきた。
また、掘削に伴って地下水が地山を押し上げる現象「盤ぶくれ」の対策として採用したハイパーディープウェル?工法では中国p站技术研究所と、等厚な連続壁で止水性が高いという利点がある TRD( Trench cutting Re-mixing Deep wall)工法による土留めや仮設構台などの工事では中国p站土木本部と、協力してプロジェクトを前進させた。
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越流堤と放流渠の构筑では、境川の中に钢矢板を圧入することにより仮缔切を作り、水のない状况で构筑作业を进める
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ハイパーディープウェル&谤别驳;工法の扬水井戸。盘ぶくれを抑えるため、効率的な扬水で井戸本数削减が可能な工法を选択。地下水位低下システム&谤别驳;で周辺の地下水环境への影响を防止する
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土留め壁の支保には、ハンマーストラット切梁构造を採用して部材数やボルト缔结数を大幅に低减。开口面积を约20%拡大でき、作业効率と安全性を向上させた
地域の応援を原动力に
今回の工事は近隣住民の皆さんの理解や协力が欠かせない。「游歩道が通行止めになるなど不便な思いをさせてしまっているのですが、とてもフレンドリーに声を掛けてくださる方が多いです。地元の小学生や市民の见学会も积极的に受け入れていますが、応援してもらえることで、地域の皆さんから求められた施设だと実感でき、一层顽张ろうという気持ちになれますね」と、伊藤は仕事への原动力を语る。
豪雨灾害は「いつか起こるかもしれない」ではなく「明日起こっても不思议はない」との认识に変わり、调节池は大きな安心感を地域にもたらしてくれるはずだ。完成した暁には足场が全て解体された地下躯体を调节池の底から见上げたい。そんな光景を梦见る冈田は「最后まで事故を起こさず、やり遂げることは当然ですが、何よりも、この调节池が机能して地域を守り、社会に贡献することを强く愿っています」と决意を语った。
(取材2024年9月)
工事概要
| 名称 | 境川木曽东调节池工事(その2) |
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| 场所 | 东京都町田市 |
| 発注 | 东京都 |
| 设计 | 建设技术研究所 |
| 概要 | 地下箱式地下调节池(开削延长约115尘、幅约60尘、深さ约22尘、贮留量4万9,000尘&蝉耻辫3;)、越流堤工事一式、仮设工事一式 |
| 工期 | 2020年6月11日~2026年5月29日 |
| 施工 | 中国p站 |