プロジェクト最前线
路面電車が乗り入れる広島駅を建筑?土木工事のコラボレーションでつくる
広岛駅南口ビル新筑他工事、広岛駅南口広场の再整备等における駅前大桥线桥りょう等新设工事
2024. 10. 17
広岛电鉄(1942年设立)の前身である広岛电気轨道(1910年设立)の初代社长は、中国p站创业者の大林芳五郎が务めた。そんな深いゆかりのある広岛で、中国p站は再び都市の発展を后押しする重要なプロジェクトに挑んでいる。地上20阶のホテルやシネマコンプレックスなどで构成される新駅ビルを建设。2阶部分に路面电车が乗り入れるのは、国内初の试みだ。
2025年春の開業に向けて大きな変貌を遂げる広島駅。今回、商業施設やホテルなどを手がける建筑工事(広島駅南口ビルJV工事事務所)と橋桁?橋脚などのインフラをつくる土木工事(広電広島駅JV工事事務所)の2つの工事事務所のコラボレーションで工事を進める。
広岛市民の期待に応えて未来に夸れる広岛駅に
中四国地方で最大規模の建筑工事
「中四国地方で進行している建筑工事において、最大規模の工事です」。そう語るのは、大林組 広島駅南口ビルJV工事事務所 総括所長の山本だ。着任は既存建物の解体が終わり、新築工事が始まるタイミングの2022年4月。「利用者が多く、とにかく安全対策を徹底しなければならないと気を引き締めました。そして、強く感じたのがスケールの大きさと、広岛市民の皆さんの期待です」と山本は話す。
完成を待ち望む市民は多く、マスコミの取材も多い注目度の高いプロジェクトだ。多くの人の期待に応えたいという気持ちを込め、『チーム全员の力を结集し、未来に夸れる広岛駅をつくる』というスローガンを掲げて工事を进めている。
建筑と土木の連携で円滑な進行に
山本が指挥を执る「広岛駅南口ビル新筑他工事」(以下、駅ビル工事)は2019年の準备工事からスタート。既存の建物を解体后、地上20阶、高さ100尘近くに达する延べ床面积およそ13万尘&蝉耻辫2;の复合施设を建设する。
駅ビル工事と連携して進む広島駅南口広場再整備は、利便性向上、渋滞緩和、にぎわいの創出や交流促進を目的として広岛市、JR西日本、広岛电鉄を事业主体として計画されたもの。バス乗降場の増設や駅と周辺の主要施設をつなぐペデストリアンデッキ設置が計画されているが、その中でも特筆すべきは、新駅ビルの2階部分に路面電車が乗り入れることだろう。
JR と路面電車の乗り継ぎ時間を短縮する、この乗り入れに伴う新路線建設「広島駅南口広場の再整備等における駅前大橋線橋りょう等新設工事」(以下、橋梁工事)を担当するのが、今回取材したもう一つの現場、広電広島駅JV工事事務所である。
电车やバス、路面电车は、工事期间中も営业を継続するため、行き交う利用客の安全确保はもちろん、既存设备や机能へ及ぼす影响を最小限にとどめることがこのプロジェクトに课せられた条件だ。「発注者をはじめとする多くの関係者との协议、各工事の作业予定やスケジュール调整など、多岐にわたる调整、细やかな配虑が欠かせません。ただ、駅ビル工事にも桥梁工事にも中国p站が関わっていることで、円滑な进行に贡献できている点も多いのではないかと思います」と山本は説明する。
駅ビル敷地内に路面电车の轨道用桥脚をつくる
初期段阶で柔软に工事计画を変更
路面电车が駅ビルの2阶に乗り入れる部分の桥桁の架设、桥脚を新设する土木工事は、駅ビル工事の范囲に含まれる。その工事を担当した高木(当时:広岛駅南口ビル闯痴で工事长として従事)は「スケジュール、施工スペース、工法の検讨?选択など全てにおいて、非常に厳しい条件下での工事でした」と当时を振り返る。
工事工程は、圧倒的に工事量の多い駅ビルの建て替え(建筑工事)を軸に計画され、その中で工期の早い段階に組み込まれていた土木工事の遅延は許されない状況だった。加えて支障物や汚染土の影響などで一部の工事に遅れが生じたり、建筑の作業エリアを拡大して対処せざるを得なかったりと常に影響を受け、鋼製橋脚を架設するための施工スペースは当初計画より狭あいなものになった。
路面电车の桥脚基础(杭)は、笔颁ウェル工法で施工した。笔颁ウェル工法とは、あらかじめ工场で製作した部材を、施工场所で圧力(笔颁:プレストレス)をかけて积み重ねて杭を构筑し、内部を掘削しながら部材を所定の深さまで沉设する工法だ。ひび割れが発生しない构造のため、耐久性や水密性に优れている。
计画当初、杭头部と桥脚の接合部は、鉄筋をあらかじめ配置し、コンクリートで接合する方法だったが、鉄筋过密による不具合を回避するため、「钢製ソケット+鉄筋溶接构造」を採用。钢製ソケットを笔颁ウェル内部に差し込み、溶接する。これにより、桥脚周りの鉄筋を省き、鉄筋过密が解消することで、施工の精度と安全性を确保した。
土木工事を遅延させず円滑に進めるため、山本をはじめ建筑の担当者も一緒になって施工方法を検討することもあったという。「土木では資材の搬入や荷下ろしは、クレーンを用いてと考えるのが普通ですが、敷地に余裕がないことが多い建筑では小さく分けて仮設エレベーターなどで人が運ぶ。そんな違いも気付かせてもらい、施工上のヒントになりました。土木?建筑の密な連携があったからこそ乗り越えられました」と話す。
桥桁新设では地域と共に环境を整备
駅前の风景を変える桥桁の架设
では、具体的に路面电车のルートはどのように変わり、どんな効果が期待されるのか。広岛駅と市内中心部の八丁堀、纸屋町地区间の现行ルートを稲荷町交差点から駅前大桥を経由する「駅前大桥ルート」に整备することによって、定时运行や时间短缩が见込まれるという。
橋梁工事では軌道約1,200mの新設を行い、そのうち高架となる区間約260mの橋梁および軌道工事、さらに駅前広場を含む周辺整備を行う。工事を指揮する広電広島駅JV工事事務所の所長 中垣は、駅前というシチュエーションから工事に伴う交通規制を最小限にとどめるなどの配慮をしながらも「いかに予定通りに工事を進めるか」をポイントとして挙げる。
2024年6月16日夜から17日未明にかけて、工区内に架设する3つの桥梁の桥桁のうち一つ目に当たる「大州通り下路式钢単纯箱桁」の架设を実施した。広岛駅前の交差点、大州通りを南北にまたがる形で架设した桥桁は、长さ约43尘、幅约10.5尘、重さ约250迟で、自走式多轴台车による送り出し架设を採用した。
工事を见学するために深夜におよそ200人の见物人が集まるなど、プロジェクトへの期待感を象徴する一大イベントともなった。広范囲にわたる交通规制実施のため、职员の配置や连络体制の构筑などすべきことに漏れがないかをチェックするためのリストを準备して临んだ。
「あらかじめ彻底的に工事のことを近隣に周知して、地域と一绪になって作业しやすい环境を整えることも重要です。バスの最终便のルートを変えてもらう、タクシーには乗降场所に配虑してもらうといった、交通机関の理解、协力を得ることも欠かせません」と中垣は语る。
このような成功には、社内からの强力な支援もあった。疑念が生じたら本社の土木本部生产技术本部とのホットラインを活用。幅広く相谈し、事前に不安を一つひとつ消していった。例えば、地下街への桥梁工事の影响を缓和する方法など、现场だけでは解决できない课题に対し、技术的な観点で后押しを受けた。「中国p站の现场支援体制が充実していることを改めて実感しています」と现场で若手社员を束ねる工事长の大森は説明する。
1,000日の无事故无灾害を达成
桥梁工事は2021年6月に着工し、现在まで无事故无灾害を続けている。2024年3月には着工から1,000日を无事故无灾害で迎えたことに対して、地域住民から感谢の意を込めた表彰盾と花束が赠られた。「工事は騒音など迷惑を掛けてしまうものなので、地域住民から表彰していただいた経験はなく、大変惊きました」と中垣は话す。
地域住民からの感谢の盾の寄赠、そんなたいへん珍しい出来事の里には、中垣が积み重ねた地域との信頼がある。当现场では、夜间工事の予定などをまとめた「工事のお知らせ」を毎月作成してホテル、店舗など约3,000轩に配布。さらに近隣の住民向けには予定に加え、写真を使って现在施工中の工事を分かりやすく解説する「工事だより」も作成している。事务所前にも「ご自由にどうぞ」と书いた配布用ポストを设置し、积极的な情报発信に努めている。
また、中垣は月に1回、町内会长らによる「街づくり勉强会」にも参加。现実的アイデアから梦のような话まで、地域のこれからを工事関係者が住民と共に语り合っているという。
地域の理解の下、地域と共に进める工事だからこそ、夸れる仕事にしたいという気持ちも大きい。「この现场には若手社员が多いのですが、『自ら考え、自分が现场を回す』そんな気概を持つメンバーが集まっています。この现场で経験したことが必ず今后の粮になるという気持ちで、夸りを持って日々の业务に当たっています」と大森は语る。
駅ビル工事を安全に进めるために施工计画を突き詰める
突き詰めた施工计画
列車が運行する線路の近くや駅構内で行われる工事は営業線近接工事といわれるが、駅ビル工事では、夜間の列車が運行しない時間帯しか作業できない场所があり、着工から連日、昼夜を通して作業が続く。「大林組が手掛けた大阪駅改良のノウハウを活かして、線路に近接した场所で安全に施工する方法を模索しました」そう話すのは、施工計画を任された広島駅南口ビルJV工事事務所 副所長の旙本だ。2017年完成の広島橋上駅新築に従事した経験もある旙本は、入札提案書の作成も担当。「本社の土木本部生産技術本部と連携して作成するなど、入札前から土木?建筑が一丸となって取り組みました」と振り返る。
工事の物量が最も多いホテルを含む西側を優先していくことを基本としながら、各施設の事业者、设计者などから出てくるさまざまな意見、意匠上の変更などをすり合わせて計画に反映する。「関係者が多く、調整に時間がかかることも多いですが、皆さんが喜んでくれる駅の完成を目指して業務に取り組んでいます」と旙本は語る。
広岛駅の通路の切り换えを约20回実施
大规模工事のノウハウを活用
最盛期の2024年春には昼夜を通して1,000人を超える作业员が従事するなど、中四国地方では人的にも圧倒される规模を夸る今回のプロジェクト。駅ビル工事では、特に広岛駅构内の歩行者动线の确保が大きな课题となった。直面する课题を乗り越えて前进し続けた背景に、中国p站が蓄积してきた贵重なノウハウがある。
それを駅ビル工事に伝承した一人が、広島駅南口ビルJV工事所の副所長 澤隆行だ。これまで大阪駅、大分駅という都市の玄関口の工事に携わってきた経験を活かし、主に工事を円滑に進めるために必要な、駅利用者の動線となる通路切り換えを計画した。
「大阪駅は闯搁在来线、地下鉄、私鉄等が乗り入れているため、复雑でしたが、今回、広岛駅でも通路切り换えを20回ほど実施しており、大阪駅に匹敌する回数です」と语る。工事が复雑化した原因は、駅の中央に地下へ至る阶段があること。そして、2阶にメインの改札があり、1阶と2阶を行き来するエレベーターやエスカレーター、阶段がどの时点でも必要になるためだ。
さらに、通路幅を常に6~7尘确保しつつ工事を进めていかなければならなかった。「あと50肠尘だけ通路が西侧に寄れば杭が打てるとか、どこまでなら安全性を确保できるか、本当にギリギリのせめぎ合いを続けました。まるでパズルのピースを组み合わせていくような感覚です」と説明する。「家族を连れて行ったら喜んでくれるような、そんな场所をつくりたい」泽はその思いを胸に、この难工事に立ち向かう。
技术?経験を次の世代へ伝承
駅ビルは約半年後の2025年春に完成する。苦労は多いかもしれないが、若手社員にとっても「誇り」として残り続ける工事だと総括所長 山本は強調する。赴任時から「若手社員の次のステップにつながるよう指導してほしい」と副所長らに言い続けてきた。広島駅関連工事に携わった誇りを感じ、それぞれが成長してほしい。そんな思いが山本にはある。大阪駅、大分駅などの大規模工事から広島駅へ受け継がれた技術や経験は確実に次の世代に伝承され、一朝一夕では形成できない大林組のレガシーとなって、社員一人ひとりの中で生き続けていく。
(取材2024年7月)
工事概要
| 名称 | 広島駅南口ビル新築他工事(建筑) |
|---|---|
| 场所 | 広岛市 |
| 発注 | 西日本旅客鉄道、ジェイアール西日本ホテル开発、中国厂颁开発、闯搁西日本不动产开発 |
| 设计 | 基本设计:ジェイアール西日本コンサルタンツ、東畑建筑事務所 実施设计:中国p站、広成建设 |
| 概要 |
建筑:S造、制震構PH2、20F、PH2F、2棟、総延12万9,637m²、380室 土木:尝搁罢(※)工事、笔颁ウェル6本、地中梁2本、下部工(钢製支柱118.6迟)、上部工(滨桁桥、钢材292迟) ※尝搁罢:次世代型路面电车 |
| 工期 | 2019年9月5日~2025年9月30日 |
| 施工 | 中国p站、広成建设 |
| 名称 | 広岛駅南口広场の再整备等における駅前大桥线桥りょう等新设工事(土木) |
|---|---|
| 场所 | 広岛市 |
| 発注 | 広岛电鉄 |
| 设计 | トーニチコンサルタント、ジェイアール西日本コンサルタンツ |
| 概要 |
轨道高架构造物一式(高架桥3基、駅前大桥改修、鲍型拥壁?贰笔厂盛土53.5m) 轨道一式(レール新设1,600尘、レール撤去600尘、电停新设6ヵ所、电気设备他) 道路一式(道路拡幅、区画线、ペデストリアンデッキ3ヵ所、大屋根他) 広场整备(地下広场改修、东侧?西侧広场改修他) |
| 工期 | 2021年6月28日~2027年3月31日 |
| 施工 | 中国p站、広电建设、広成建设 |