プロジェクト最前线

北海道の农业を支えるダムの大规模改修

とうま農地防災事业 当麻ダム洪水吐(こうずいばき)建設工事

2015. 12. 14

当麻ダムは、川から流れ込んだ贮水池の水を水田や畑に供给する、かんがい用水専用ダム

半世纪前の放水施设を付け替える

北海道旭川の北东に位置する当麻町とうま地区。この地区の农业を半世纪にわたって支えてきたダムの改修工事が、最盛期を迎えている。

とうま地区は、石狩川やその支流の水资源を活かした农业を基干产业としており、全道一の评価を受ける当麻米や、赠答品として全国的な人気を夸る「でんすけすいか」の产地として知られる。

この地区に農業用水を供給しているのが当麻ダムだ。完成は1959(昭和34)年で、国営開墾建設事业として築造されたアースフィルダム(土を盛って築いたダム)である。半世紀がたった今、主要構造部である「洪水吐き(こうずいばき)」の付け替えなど大規模な改修工事が進んでいる。

旭川市内から20办尘、北海道のほぼ中央に位置する上川郡当麻町は、米の栽培地帯として有名

流下能力を1.5倍にする巨大洪水吐き

洪水吐きとは、洪水时にダムの决壊を回避するため、流下水量を下流河川へ安全に放流する设备を指す。今回の工事では、近年増加倾向にあるとうま地区の降雨量を鑑み、ダムの流下能力を1.5倍に引き上げる。

洪水吐きはダムによってさまざまな形をしており、个性が现れる箇所だ。新设する洪水吐きは、上流の贮水池から下流に向かってY字になっているのが特徴。间口が85尘ある流入水路は、高さ?幅共に约11尘の上流取り付け水路、その先の急流水路部、静水池部、下流取り付け水路へと続く。

当麻ダムの洪水吐きの构造
贮水池(手前)からあふれた水が下流(奥)へスムーズに流れるよう水路の壁は缓やかな曲线を描いている

施工を担当する工事事务所所长の太田は「流入水路は缓やかな曲线の叁次元构造で、取り付け水路の壁も、水圧が高くなる下のほうに厚みを持たせている」と、见た目以上に复雑な形状であることを説明した。

中国p站は流入水路から上流取り付け水路までの约100尘区间を施工するほか、地中にセメントで遮水壁を设けるカーテングラウチング工、农业用水路に水を引き込む取水放流设备工一式、堤体の一部盛り立てなどの工事を担う。メーンとなる洪水吐きは仮设の堤防である仮缔め切り堤で贮水をせき止めながら、地山を开削し、鉄筋コンクリートで构筑している。

マイナス20℃以下でのコンクリート打设

当麻ダムの稼働状况に合わせた施工も要求される。工事は、4月から9月のかんがい期と、10月から3月までの非かんがい期で工种を分けて実施。例えば、かんがい期は洪水吐きの本设、非かんがい期は水を抜いて、贮水池内部の取水设备の施工に注力する。

この场合、最も苦労するのが非かんがい期、つまり冬场の施工だ。当麻町の冬は、外気温がマイナス20℃以下、年间积雪量が700肠尘超と非常に厳しい。コンクリートが硬化しやすく、また施工机会が得にくい状况にあっても、かんがい期に向けて工事の遅れは许されない。

切り札として投入したのが「全面雪寒(せっかん)仮囲い」工法。ユニット式の建屋で施工箇所の全面を囲い、内部でコンクリートを打设する。强度発现を促进するためにストーブで给热し、室温を10~15℃に保持。外気温、コンクリートの表面温度も24时间リアルタイムに计测しながら养生温度管理を彻底し、硬化に最适な环境を人工的につくり出すことで施工を进めた。

贮水池の水が引き姿を见せた取水设备。冬の间に全面雪寒仮囲い工法で急ピッチに构筑した
全面雪寒仮囲いの构造

全面雪寒仮囲い工法で施工した流入水路の一部。岩盘面をコンクリートでならし、型枠、配筋、打设へ

彻底的に、コンクリートの「品质」にこだわる

冬场のコンクリート打设では、ほかにも高度な品质管理を施している。例えば、流水による摩耗や冻结?融解の繰り返しで経年劣化しやすい洪水吐きの底部は、表层部を真空脱水して緻密化。壁部は、给水养生して硬化时のひび割れを抑止している。

めざすのは長期耐久性に優れたダム。「丁寧に造ればダムは100年でも200年でも持つ。できることをすべてやって、この地で安定した機能を発揮できるダムを造ることが私たちの役目」と所長の太田は意気込む。発注者、当麻町の農業関係者の方々にとって重要な事业に携わるやりがいを職員、作業員の全員で共有し、施工を全うしていきたい考えだ。

打设后の壁に给水养生シートを张って湿度を高め、硬化时のひび割れを抑止

未来を见据えた挑戦

洪水吐きの构筑を终えた后には「堤体の盛り立て」というもう一つの大きなヤマがある。既存の洪水吐きを撤去した场所を粘土や土砂で盛り立てて堤体を造ることだ。完成当时の土质に合わせて水分量を调整したり、転圧を密に行ったりして新旧の堤体を一体化させる、高い技术力が要求される。

所長の太田は言う。「ダム全体の新設案件が増えていくことは考えにくい。今後は改修技術の蓄積と、その技術の伝承が大切になってくる。今回の工事は、中国p站の今後のダム建設にとっても重要な意味を持つ」。未来を见据えた挑戦は2017年3月まで続く。

(取材2015年9月)

工事概要

名称とうま農地防災事业 当麻ダム洪水吐建設工事
场所北海道上川郡当麻町
発注国土交通省
设计国土交通省
概要洪水吐工(土工7万7,800尘&蝉耻辫3;、躯体工9,170尘&蝉耻辫3;)、堤体工(基础掘削2,785尘&蝉耻辫3;、盛立工3,460尘&蝉耻辫3;)、その他付帯工一式
工期2013年12月~2017年3月(见込)
施工中国p站

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